本日10月29日(日)午前2時をもって、サマータイム(いわゆる夏時間)が終了しました。
今住んでいるイスラエルでも、過去に住んだニュージーランドでもイギリスでも、サマータイムが導入されています。
日本では採用されていませんが、旅先などでサマータイムを経験した方も多いのではないでしょうか?
■そもそもサマータイム(夏時間)とは?何のためにあるの?
標準時間(いわゆる冬時間)から、時計の時刻を1時間、先に進めることです。
夏場は日照時間が長いため、夏場の活動時間を長く有効に活用するために設けられています。
■サマータイム導入で何か良いことはあるの?
一般的な説明ではピンと来ない方に、簡単に説明いたしましょう。
例えば、あなたがイギリスに住んでいるとしましょう。
イギリスは北海道よりも高緯度の国です。
高緯度の国では、夏と冬の日照時間の長さの差が顕著です。
北極や南極などは、一日中太陽が沈まない「白夜」、反対に一日中太陽の昇らない「極夜」という現象が発生します。
イギリスはそこまで極端ではありませんが、とにかく夏場と冬場の、外で活動できる時間の差が凄まじいです(夏は夜10時くらいまで明るく、冬は午後4時には暗くなります)。
仮に家の起床時間が午前7時に設定されているとします。
冬場は、全く問題ありませんね。大体、午前7時くらいからようやく日が昇り出し、外が明るくなり始めます。起きるのにピッタリの時間です。
でも夏場だったら?
夏場は、イギリスのロンドンの場合、午前4時くらいから薄ら明るいです。
うっかりその時間に目が覚めてしまった時は、また寝られる自信がないくらい、もう外は明るくなり始めているのです。
そのように早く朝が始まるのに、7時まで寝ているなんてできない、勿体ない!
せてめ6時には起きて一日を始めた方が、時間が長く使えていいですよね。
そこで夏時間の登場なのです。
時刻を1時間早く進めておけば、時刻は午前7時でも、実際の外の時間は午前6時です。
つまり、サマータイム期間中は、起床時刻は午前7時で冬場と変わらなくても、明るい外の状況に合わせて実際は1時間早く(午前6時から)一日が始まっているわけです。
夏場は日が長いからいつもより1時間早く、午前6時から活動をスタートさせちゃいましょう!といっても、全ての人がそのように行動できるわけではありませんから、だったら時刻を1時間早く設定しちゃいましょうと。
そしたら、今まで通りの時刻のスケジュールで、実際は1時間早く動けていることになる、ブラボー!って感じでしょうか?
ただし初日だけは、注意が必要です。
今まで見ていた時刻よりも1時間早まるのですから、会社が9時出社だったら、時計のセッティングをし忘れた場合、まだ午前8時。
悠々と家で朝ご飯を食べているかも知れません。
だから初日だけはしっかりと時計を夏時間にセットしておかないと、大変な目に遭います。
これはサマータイム終了の時にも言えることで、冬時間に戻るので、逆に時刻を1時間遅く設定しなければなりません。
でも例え設定し忘れたとしても、会社に9時に出社しても、まだ誰も来ていない。
( ゚д゚)ハッ!しまった!サマータイム終わったんだから、皆が来るのは1時間後だ・・・。
となるわけですが、遅刻と比べると、大違いです。むしろ1時間前行動しちゃった!くらいのご愛敬。
なので、サマータイム終了のときは、そこまでナーバスになる必要はないかも知れません。
■日本もかつては導入していた時期が!サマータイムがメリットを生む国・地域とは
実は日本でもかつてサマータイムを導入していた時期があるのをご存じでしたか?
太平洋戦争終了後の連合国占領下で、1948年~1951年に施行されていました。
ところが残業増加や寝不足を引き起こすなどとして大変な不評を呼び、廃止された経緯があります。
世界の国々を見渡しても、サマータイムを導入したことのない国、導入したが廃止した国、導入している国と分かれています。
現在実施している国々を見ると、アメリカ・カナダ・ヨーロッパと、欧米と関わりの深い国・地域にまたがっています。
やはり高緯度の国ほど夏冬の日照時間の差が大きいので、サマータイムを導入することのメリットが大きいと考えられます。
イスラエルなどは緯度は日本とさほど変わりませんが、とにかくヨーロッパとの結びつきが地理的にも経済的にも強いので、サマータイムを採用しているのかなと思います。
イスラエルの周辺国である中東の国々は、かつて導入されたが廃止した国、一度も導入されていない国などがほとんどです。
面白いのはオーストラリアで、南部(高緯度地域)のみ実施されています。
私がかつて住んでいたニュージーランドは、やはり高緯度に位置するためか、サマータイムがあります。
■サマータイムで面白かったことあれこれ
・初日は時間を間違える人が続出!?
先ほども述べましたが、サマータイム初日に時間が1時間早まるのに時刻をセッティングし忘れ、職場に遅刻する人が毎年必ず発生します。そもそもサマータイムが始まったことを知らなくて(忘れていて)、そうなる場合がほとんどですが・・・。
私もニュージーランドでサマータイム初日に、勤務するカフェテリアに出勤したところ、お店の鍵を持つ店長が1時間近くやって来ずに外でボーーッと待っていた経験があります。
近くのお土産屋さんのスタッフも同じような状況になっていて、お互い苦笑い。
遅れてやって来た店長は、やはりサマータイムが始まっていたことを知りませんでした。
大体サマータイム前になると、友達との会話でも、「そろそろだよね?今年はいつからだっけ?」と度々話題に上るようになります。サマータイム終了前も、また然りです。
・パソコンやスマホの時計は自動で夏時間←→冬時間に切り替わる
これはとても有り難い機能で、パソコンとスマホの時刻は、夏時間・冬時間にしっかり自動で対応してくれます。ですので普段と同じように過ごして大丈夫。
私は最初にこれを知らず、手動で時刻をいじったため、おかしな状況になってしまったことがあります。分かっていても毎回、あっPCも!スマホも!とアタフタしてしまうのです。。。
・家中の時計を冬時間へ
パソコンやスマホは自動で切り替わってくれますが、家の時計はそうはいきません。
アナログ時計や腕時計はもちろん、デジタル時計でも、手動で時刻を調整します。
ちなみに電波受信型のデジタル時計も、観察していましたが自動で時刻は切り替わりませんでした。電波受信してるんだから、頑張って欲しいところですが・・・。
さて時計を全部設定したら、意外に忘れがちなのが、家電の時計です。
電子レンジ、炊飯ジャー、オーブンなど、時刻表示してくれている家電は結構あります。
ここで一つでも忘れてしまうと、タイマーを設定するときや時計代わりに時刻を見た時に、一瞬ですが慌てます(笑)。
■最後に
いかがでしたか?
サマータイムの導入は日本でも過去に散々議論されたこともあり、賛否ともにさまざまな意見がありますね。
私は単純に考えて、東北~北海道などの高緯度の地域には有効な施策であると思います。
でも日本列島は南北に長いので、沖縄のような地域では必要性を感じないでしょうし、狭い国土で一部地域だけの導入というのも無理がありますよね。
でも実際に経験して感じるのは、サマータイムは完全にイベントであるなと。
何というか、サマータイムが開始する時は「サマータイムが始まる!さぁ~夏が来るぞぉ~!」とウキウキし、終了時には「あぁ~夏が往く・・・夏が完全に終わる・・・」という何とも言えない悲壮感を味わいます。
意識による季節感?のような効果が、確実にあります。気が引き締まるというか、冬への心構えができます。それはそれで、面白い経験です。
イギリスの冬は長く暗いです。
イギリスで夏時間が終了する時は、本当に悲哀を感じました。
あぁまた、あの暗くて寒い冬がやって来る・・・と。
対して砂漠の国、イスラエル。
私はまだこちらの冬(イスラエルの場合は雨期)を経験していませんので、サマータイムが終わっても何の実感もありません。
ですのである意味、今後どのように感じるかが、楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!