サイトアイコン 山あり谷あり海外移住記

海外移住の悲哀あれこれ

いよいよ私と娘の渡航が5月に決まり、渡航準備が慌ただしくなって来ました。

我が家の海外移住は、いわゆる日本の会社からの駐在や海外出向ではなく、現地の会社に就職するパターンですので、渡航に関する費用、渡航してからの諸々の費用、生活費全てが自己負担になります。

ただ、夫のビザ申請などビザサポートに関わる費用や、夫の渡航費は、これまでどの会社でも負担していただけました。

ですので、こちらが負担するのは、夫以外の家族分のビザ費用と渡航費用、海外引越費用、現地での生活費全て、となります。

現地で出会う海外駐在組の皆さまのハイソで優雅な生活を横目に、慎ましい生活を涙目で送る日々(移住当初の話ですが)・・。

この悲哀と苦労、お金がなくなるスピード(お金が飛んでいくというよりは、溶けていく感覚)、これは私たちと同じ境遇の方々(現地就職組)にしか決して共有のできないものであります。

もちろん、現地の方と国際結婚されている日本人も、いっぱいいます。

金銭感覚的な部分では、国際結婚のご家庭も、現地の会社に雇用されて生活している点で、ほぼ同じと言うことはできます。

しかしここで彼らと大きく異なるのは、現地での親族などのネットワークの有無です。

外国人の方と結婚し、その国に移住する場合、そこに相手のご家族はいらっしゃるわけです。

なので、子供の面倒を見てもらったり休暇の時に遊びに行ったり等、様々な形で交流があり、サポートが期待できます。

加えて、結婚相手は現地の国籍なので、いわゆる子供手当などの国や自治体からの助成もありますし、現地の色々な手続きも特に支障なく行えるでしょう。

渡航する前の不安も全然違うと思います。

これが私たちのような海外移住組ですと、日本の会社のバックアップなどの後ろ盾がなく、現地での手続きも全て自己責任、頼るべき親族もネットワークもなく、まさに自分たち家族のみ、自力で生活していくことになります。

夫は仕事があるので何だかんだと人と触れ合えますが、私にとって、当地で最初の友達ができるまでは、本当に孤独な時間を過ごすことになります。

これはイギリスでもイスラエルでも同じでした。

カナダでもそうでしょう。

だけど本当に不思議なもので、一人友達ができると、そこを突破口にして、パァーーッと交友関係が広がっていきます。

なので、最初の友達ができるまでが、辛抱のひと時なのです。

すでに経験していることなので、今回は、これからどんな友達ができるだろう?と楽しみに待ちながら、まずは現地での生活を整えることに集中しようと思います。

ただ、本当に素晴らしいと思うのは、今はラインやスカイプなどのツールを使って、世界中どこにいたって、日本にいる家族や友人達とリアルタイムで連絡が取り合えることです。

それに、日本国内だって、転勤族だったり遠くに就職したりで地元を離れて生活している人たちはたくさんいるし、そういった方たちも、状況によっては自分の地元に帰省して家族全員が集合できるのは数年に一度ということもあると思います。

そうすると、海外移住している私たちと全然変わらない!!!

緊急事態が起きた時に、せいぜい駆け付けるのが1日遅れるくらいの差しかない!!!

そう思うと、何も恐れることはない、とにかく健康に楽しく生活することが一番だ、と元気が湧いてきます。

ところで、最初の移住をする前、私の従兄にこんなことを言われました。

「従妹くらいの間柄で、ちょうど良かった。これが身内だと心配もするし、応援ばかりもできない。従妹なら、楽しく見守っていられる」と(笑)。

言ってくれるなぁと思いましたが、偽らざる本音でしょう。

実際、義母も同じようなことを言っていました。

「みんな、子供が海外に移住するって言うと、いいじゃない!とか楽しそう!とか挑戦して立派!とか言ってくるけど、それは他人だから言えること。身内としては、心配と不安しかない」と・・。

本当にそうだと思います。

ただ、これを打ち破ってくれたのが、今まで私を全くほめてくれなかった自分の母親でした。

私は自分の母と、長い間、確執がありました。

今までの人生で母が私を誉めてくれたことは、ほとんどありません。

何をするにも、反対され、怒らせてきました(唯一反対されなかったのが夫との結婚ですw)。

ある年末、私の母と義両親と一緒に食事する機会があり、その時、我が母が言ったのです。

「私はねぇ、この二人(私たち夫婦)のことは信頼してるんです。これまでもちゃんと自分たちで道を切り開いてきました。だから海外に行ったって、何も心配していません。むしろ、どんな楽しいことを見せてくれるんだろうって、期待しているんですよ!」と・・。

義母は、この言葉に救われたと、後日言ってくれました。

何故なら、義母と私の母は、全く同じ立場の人間だから。

自分の子供が、遠く海外に行ってしまう。

他人から面白おかしく聞かされる話でもなく、まさに身内の、当事者なのです。

その同じ立場の母が、「心配していない、楽しみ!」と言ってくれた。

それで自分の気持ちも切り替わった、と。

あの母が!!!

その発言が出た時、私は薄気味悪かったのを覚えています。

いきなりこんなことを言い出すなんて、何の魂胆があるんだろう!?と、素直に喜べませんでした。

もしかしたら、母自身も不安で、でもそれを打ち消すために、敢えてそんな発言をしたのかも知れません。

いずれにしても、今は応援して快く送り出してくれる義両親や周りの方々に心から感謝しています。

いつも見守ってくれ、帰国したときは温かく迎えてくれて、本当にありがとうございます。

これからどんな生活になるか分かりませんが、健康に留意して、家族で助け合って、日々を大切に、心がけて楽しく、過ごして行こうと思います。

私の夢は、全額負担して、いつか日本の親族一同を現地の旅行に招待すること!!!

そのために一生懸命頑張るけど、もしもどうしても駄目だったら、これは違うと思ったら、潔く帰国しようと思います。

万が一そうなっても、大丈夫!

日本には家族がいる。

友人達がいる。

素晴らしい社会制度や環境も整っている。

物価は安く、それなのに信じられないくらい質の高い物やサービスが沢山ある。

日本人の民度は世界最高だと感じる。

じゃあどうして海外に行きたいって思うの?

その究極の問いへの答えは、自分でもまだ見つかっていません。

どうしてこんなに海外を求めるのか。

でも、海外で暮らせば暮らすほど、いかに日本という国が素晴らしいか、身に染みて分かりました。

それは海外生活を通して得た、最も素晴らしいことの一つです。

私は日本を愛しています。

その日本を背負って、また私は旅立ちます!

これから向こうで新しく出会う人たち、体験がいっぱいある。

そう思うと・・陳腐な表現になるけれど・・「なぜ海外に行くの?」の答えは・・

世界が私を待っている!!!(`・ω・´)キリッ

・・から?(笑)

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