衆議院選投票日を10月22日(日)に控え、当日投票に行けない方の期日前投票が始まっています。
期日前投票を行う人の割合は毎回増加していて、今回の選挙でも既に過去最高を記録したことがニュースになっていましたね。
さて皆さんは、海外に住んでいる人も国政選挙に参加できることをご存知でしたか?
外国で日本の国政選挙に参加する制度のことを在外選挙といい、それによる投票のことを在外投票といいます。
今回はこの在外選挙・在外投票について、私の体験も交えてご説明します。
■どんな人が投票できるの?
以下の3つの要件を満たしている方は、在外選挙人の登録ができます。
・満18歳以上
・日本国籍を持っている
・海外当地に3ヵ月以上住んでいる
大事なことは、日本を出る前にお住まいの市区町村で海外転出の手続きを済ませていることが前提です。
海外に出る際、諸事情を勘案して日本の住民登録を残したままの方もいると思います。
その場合は、残念ながらこの在外選挙には参加できないことになります。
■申請はどうやってするの?
海外当地管轄の大使館・総領事館の窓口で在外選挙人名簿への登録申請ができます。
その際の必要書類は以下になります。
・旅券
・申請書
・居住していることを証明できる書類(※こちらは申請者の状況により扱いが異なりますので窓口へ確認が必要)
ここで注意したいことは、申請書や選挙人証が海外・国内を往復するのに約2~3ヵ月かかるため、国政選挙のスケジュールがあらかじめ分かっている場合は、時間に余裕を持って申請しておかなければいけません。
例えば解散のない参議院選挙は、選挙の日程は事前に把握できます。
その日程の3ヵ月前には申請を終えておく必要があるでしょう。
大変なのは、今回の様な突然の解散による衆議院選挙ですね。
解散が決まってから申請を行っても日程的に厳しいので、海外に渡航した際は、早目に在外選挙登録の申請をした方が良いでしょう。
かくいう私は、2016年の参院選の選挙日から1ヵ月半を切った状態で申請に行ってしまい、間に合わないだろうと諦めていたのですが、やはり国政選挙は国民の義務ということもあり、窓口でも最大限に対応してくださいました。
無事に在外投票期間内に在外選挙人証を受け取ることができ、在外投票も無事に終えることができました。
関係者の皆様、その節はご尽力いただき、本当にありがとうございました。
こうならないように、時間には余裕を持って申請しましょう!
■投票はどうやってするの?
在外投票は以下の3つの方法から選択できます。
・在外公館で投票(直接日本大使館や総領事館に行き投票する方法)
・郵便等で投票(投票用紙等を請求して、登録先の選挙管理委員会へ郵送する方法)
・日本国内で投票(一時帰国中や帰国後転入届を提出して3ヵ月未満の方は日本国内でも投票ができます)
私は在英国日本大使館で投票をしました。
面白かったのは、普通、日本国内で投票をする場合は、投票所には当該選挙区の候補者名しか用意されていませんが、在外投票は日本全国の選挙区を扱うわけですので、候補者名簿が一冊の冊子になっていました。
都道府県別でインデックスされていたので、自分の登録先の選挙区をその中から探して候補者名を確認しました。
これが意外に大変で、時間がかかりました。
スタッフに注視される中、質問もしにくい雰囲気で、スマートに投票せねばと思いつつあたふたしてしまいました(笑)。
何とか無事に投票を果たした後は、いつも選挙に行った後に感じる「私は国民としての義務を果たした!」という爽快感と充実感で幸せな気持ちに。
しかも関係者の煩雑な手続きを経て海外で投票した!と思うと、いつもより感慨もひとしおでした。
ちなみに在外投票の期間は、実際の日本の投票日よりも先に終わります。
期日前投票は投票日前日まで行っていますが、やはり海外からの投票は集計のやり取りに時間がかかるからでしょう。
■選挙に参加する意義
皆さんは、普段から選挙には足を運んでいますか?
私はある時期から、必ず選挙に行くようになりました。
それは、やはりどんな結果であれ、あの一票は私の一票なのだ、と実感できたことが大きいです。
支持する候補者や政党が当選することばかりではありませんが、それでも、あの一票は私の一票だと、一国民として一市民として、選挙に参加することの大切さを感じました。
それに選挙に行くと、速報が気になります(笑)。
各地の当確情報もフムフムと興味を持って見るようになりました。
地域によって政党の勢力図が違って、面白いのです。
投票に実際に足を運ぶことで、こんなにも物事の捉え方が変わるのかと思いました。
私がイギリスに住んでいる間に、EU離脱を問うイギリスの国民投票がありましたが、いくら興味や関心があっても日本国民である私には投票の権利がありません。
国民投票前の討論番組などを見ても、何とも言えない疎外感を感じて寂しい気持ちでした。
投票できる人が羨ましかったです。
投票できる権利があるということは、素晴らしいことです。
国民の義務であることは言うまでもありませんが、まだ選挙に行ったことのない方は、是非一度参加して欲しいと思います。