2005年1月~2006年1月の1年間、私はニュージーランドにワーキングホリデーで滞在していました。
ニュージーランドでは、クライストチャーチ(Christchurch)、オークランド(Auckland)、ブレナム(Blenheim)、クロムウェル(Cromwell)などで生活し、クライストチャーチでは日本食レストランのウェイトレス、カフェのキッチン&フロントスタッフを、ブレナムではチョコレートファクトリーでチョコレート作りを、そして最後にクロムウェルでチェリーの仕分け作業のお仕事をしました。
ワーキングホリデービザは、学校に行ったり、旅行したり、働いたりと、自由な過ごし方ができるビザです。
ほとんどの人達は、学校に2~3ヵ月ほど通い、そこから旅行に出たり時々働いたりと、のんびりと思い思いの滞在をしていました。
私はとにかくお金がなかったので(笑)、最初の1ヵ月に語学学校へ通ったのみで、あとはほとんど働いていました。
ですので、職探しに関しては同時期にワーキングホリデーで来ていた人達よりもノウハウというか根性があったと思います。
今回は、ワーキングホリデーでの職探しにスポットを当てて紹介していきます。
(あくまで当時の私の体験です。10年以上も前のことなので、現在とはだいぶん状況が違うかも知れません)
■どんなお仕事があるの?
やはり現地で外国人が就ける職種となると限られてきます。
現地の人よりも言葉の面でハンディがあるわけですので、基本的には誰でも出来る肉体労働や簡単な接客の仕事になります。
ですので、ホテルのクリーナー、季節労働(Seasonal Work)、土産物ショップの店員、飲食店(特に日本人だとジャパニーズレストラン)、ベビーシッターなどが主な働き口でした。
また、ニュージーランドでは、住む場所によっても仕事が分かれていました。
まとめると以下のようになります。
オークランドやクライストチャーチなどの都市部:土産物ショップ、日本食レストラン、カフェ、ホテルのクリーナー、ベビーシッター
その他の地方都市:バックパッカーズなどの宿のクリーナー(住み込みが多い)、ファームステイをしてファームのお仕事、ヴィンヤード(ぶどう畑)での農作業(これは年間を通してあります)、各種フルーツのピッキング・選別・加工作業などの季節労働
一方、専門職系では、美容師や寿司職人の求人は常にありました。
都市部にはなりますが、これらの職種の方は、現地で仕事を見つけやすいかも知れません。
■どうやって仕事をゲットするの?
オーソドックスですが、現地の新聞やフリーペーパーの求人欄、求人Webサイトで求人情報をチェックすることができます。
大型スーパーの掲示板には、求人情報も掲載されていました(ただこれは古いものがずっと貼ってあったりするので注意が必要)。
がしかし、これらは現地の人の就職活動とほぼ同じなので、おそらく外国人が応募しても圧倒的に不利だと思われます。
相当な言語力が必要で、電話での問い合わせすら、かなりハードルが高いです。
外国人だと分かった途端に電話を切られることもしばしばでした。
ですので基本的には、CVと言われる履歴書を自分で作成し、例えば飲食店で働こう!とターゲットを決めたら、とにかくひたすらお店を訪ね歩きます。それが一番確実で早いです。
実際、私が職をゲットできた日本食レストラン、カフェ、チョコレートファクトリー、チェリー農場は、全て直接訪問です。
仕事がないと冷たくあしらわれることがほとんどでしたが、中には申し訳なさそうに断ってくれる優しい人もいました。
断られるのには違いないのですが、せっかく来てくれたのに空きがないの、ごめんなさいね、と優しく断ってくれるだけでも、本当に心に染みるというか、涙が出そうになるくらい嬉しかったです。ちゃんと相手をしてくれた、と思いました。
この方法の注意点は、とにかく断られるのに慣れること(笑)。
駄目だったらハイ次!ハイ次!と気持ちを切り替える。
もう回るところがなくなったら?
それは別の街に移るのです。そしてまたハイ次!ハイ次!
実際、1ヵ月間滞在した大都市オークランドではことごとく玉砕し、ここでは仕事がゲットできないと諦めてクライストチャーチに戻りました。
不思議なことですが、自分とその都市の相性みたいなものもあります。
相性の良い土地は簡単に仕事が見つかったりしますが、相性の悪い土地では全く仕事にありつけなかったり、働く環境が過酷だったりします。
とにかく仕事はご縁と割り切って、貪欲に訪ね歩く!!
これがワーホリで仕事をゲットする秘訣です(笑)。
あとはレアケースですが、働いている友人の後釜を狙う方法もあります。
当時のニュージーランドのケースですと、一つの職場で働ける期間は3ヵ月までと決められていました。
ですので、どんなに良い環境でも、気に入った職場でも、3ヵ月経ったら終了でした。
お店としては当然、その後に求人を出すわけです。
なので終了期間が近い友人がいたら、自分がその次に働けないかオーナーさんに打診してもらうのはとても有効です。
友人の評価が高いほど、その友人ということでスムーズに認められる可能性が高いため、狙っている職場で働いている友人がいたら、いつまで働くのか聞いておくことは大事です。
実際に私はカフェの仕事は、自分が去る時に友人に紹介しました。オーナーも私の紹介ならと、即決してくれました。
ベビーシッターの仕事なども、知り合いのツテでやる人が多かったです。
■まとめ、日本人として
いかがでしょうか?
異国の地で仕事を探すのはとても大変ですが、貴重な経験になることは間違いありません。
是非、これからワーキングホリデーで渡航する方は、限られた時間を有意義に使うことができるよう、参考にしてください。
また、ブレナムのチョコレートファクトリーで仕事が決まった時、オーナーに「日本人だから採用してあげる」と言われました。
この時、自分が国を背負っているのだということをひしひしと感じました。
私の前に働いていた日本人達がとても真面目で良かったから、採用してくれたというのです。
自分が一個人として見られているのではなく、彼らは自分を通して日本を、日本人を見ているのだと気付かされました。
ですので、私もその評価を落とさないように、一生懸命働きました。
リレーのたすきを次に渡す、その大事な役目を負っていたように思います。
もしあなたがこれから海外で仕事をすることがあったら、そのことを頭の片隅に入れておくと、少し気持ちが引き締まります(笑)。
そう、あなたは立派な日本代表選手なのです!そしてあなただけの、素晴らしい経験に出会えることを心から願っています。