日本への一時帰国まで1週間を切り、毎日様々な準備でバタバタの日々です。
そして本日、娘の学校最終日で、Grade1のオンライン授業が終了しました。
3月中旬にコロナによって学校が無期限閉鎖になってから、遂に一度も登校が再開することなく、本日の終業日を迎えました。
今年2020年も間もなく半分が終わろうとしていますが、この様な日々になることなど、一体誰が想像できたでしょう。
本来であれば今頃は、7月に東京で開催されるオリンピックの話題で賑やかだったに違いありませんが・・。
自分が想像していた日々と実際の日々って、こうも違ってくるものなのですね。
これは今年のコロナ禍に関わらず、私が毎年思っていたことです。
毎年年末に一年間を振り返った時に、年初に想像した一年とどう違ったかを簡単に頭の中で検証するのですが、想像した通りの一年だったことが一度もありません。
これは人に対しても言えることですよね。
そう、いわゆる「人は見かけによらない」問題です。
(もちろん、「人は見かけによる」話も沢山ありますが・笑)
今回、日本に帰る際のフライトについて色々考えているうちに、その「人は見かけによらない」エピソードを懐かしく思い出しました。
私が2016年の年末にイギリスから日本に帰国した際の、強烈な体験談をご紹介します!
子連れで真ん中の座席に閉じ込められた最悪のフライト
2016年12月31日の大晦日、夫にイギリスのヒースロー空港で見送られた私と娘は、ロンドンを発った後、ロシアのモスクワでトランジットして成田行きの飛行機に搭乗しました。
そしてこのフライト、全席満席で、私と娘は、飛行機の真ん中4席のシートの、正にど真ん中に座らされる羽目になりました。
いつもは事前に座席予約をして行くのですが、何せイギリスを引き払っての本帰国だったので、最後の最後まで家の片付けと撤収作業に追われていました。
座席予約をしなくても小さい子供がいる場合は変な席は割り当てられないだろうと高を括っていた私が甘かった。
というよりバカだった。
なので空港でチケットの座席番号を見た時、絶望しかありませんでした。
何が困るって、トイレに行きにくいことです。
自分一人なら我慢できますが、長時間のフライトで子連れにこの仕打ち!!
これ、海外のキャリアだったら、割とフツーにされます。
日本のキャリアでこの様な目に遭ったことは一度もありません。
子連れなら頻繁にトイレに行く必要があることは容易に想像がつくだろうに・・と返す返すも恨めしく思いましたが、もはや覚悟を決めるしかありません。
とりあえず子連れなので私達は優先的に機内に入れてもらい、どんな人がそれぞれ両隣に座るのだろう・・と不安な気持ちで待ちました。
どうか空席でありますように・・。
空席でなくても、子供嫌いでない、心優しい御方でありますように・・。
さあ来ました!
娘の隣の席には、金髪に青い目の大柄な中年男性。
エコノミー席には収まりきれず、普通に座席の両方の肘掛を使用して娘が圧迫気味。。
でも怖さは感じず、フランクで話しかけやすそうな人でした。
そして私の隣の席には、黒髪で痩せ型の若い白人男性。
こちらはどことなく、神経質そうな雰囲気が漂っていました。
ここで究極の選択です(笑)
トイレに行くのに立ちはだかる金髪の大男。
彼の体格だと、間違いなく一度席を立ってもらわなければ通り抜けることはできません。
でも気さくで、頼んだら快く対応してくれそう(こういう時って願望入りまくりです・・)。
一方、黒髪のひょろい男性は、席を立ってもらわなくても通り抜けできそうだけど、神経質そうな感じがいただけない。。
心は決まった。
私は意を決して、金髪の大男に英語で話しかけました。
「すみません、私は子供を連れているので、トイレに行くときはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします(←これを英語で)。」
彼は明らかに困惑して、何か言葉を返して来ました。
「Простите, я не говорю по-английски.」
ん?
んん?
え、英語じゃないんですけど!!!(多分ロシア語と思われる)
そう、金髪の白人男性、典型的な欧米人のビジネスマンっぽかったのに(普段は仕事バリバリで休暇はしっかり取りますみたいな)、
まさかの英語通じない件(;@Д@)
勘弁して・・彼の協力なしにはトイレに行けないこの状況でホント無理なんですけど・・(もはや涙目)
残された道は一つ。
私は心を整え、再び意を決して、もう一人の黒髪の白人男性に声をかけました。
「す、すみません、私は子供を連れているので、トイレに行くときはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします(←これを英語で)。」
神経質そうなその男性は答えました。
「あ、おトイレですね?ダイジョウブデスヨー(´∀`)」
に、
に、
ににに、
日本語で返って来たYO!!!
(;@Д@)
しかも気難しそうな風貌に似合わず、めちゃくちゃ感じ良いやんけ・・!
私は彼の日本語を聞いて、驚嘆せずにはいられませんでした。
日本行きの便に乗るくらいだから、日本が好きで旅行するのか、そもそも日本に住んでいるのか。
・・どうしてあなたはそんなに日本語が堪能なのですか?
・・日本語をどうやって勉強したのですか?
・・日本に住んだことがあるのですか?
あぁ、子連れでさえなければ、めっちゃ色々お話ししたい・・!( ;∀;)
しかし横には魔の3歳児が座っていて、
ママー、疲れたーーーー
ママー、まだーーー
ママー、あとどれくらいーーー
ママー、喉乾いたーー
ママー、お腹空いたーーー
ママーーー、ママーーー!( ゚◇ ゚)
とヒナ鳥が餌を待つように、口を開けてピーチクパーチク吠えまくります。
私は彼とお話ししたい衝動をぐっとこらえ、日本語で「ありがとうございます。」とお礼を言いました。
飛行機が離陸してしばらくすると、金髪の大男はグーグー寝始めました。
娘の方に身体が傾いていて、とにかく圧が半端ないです。
そして黒髪の男性はというと、おもむろに小説を取り出して読み始めました。
その小説、まさかの
東野圭吾「秘密」
(しかも原書!!)
あぁ、あなた様はどんだけ凄いのですか・・
彼とお話したいよ~~~
YO~~~(;Д;)
そして彼も私と日本語トークしたいのがありありの様子。
チラッ、チラッ、と時々こちらに視線を投げかけ、私に
「日本語トーク★ウェルカム」
感をアピールして来ます。
しかし私は子連れ。。
魔の3歳児の子連れ!!!
心を鬼にして娘のお世話に集中しました。
前の座席は日本人一家だったが・・
いや~、人は見かけによらないもんだ・・。
出だしでまさかの展開でしたが、しかしこのフライトはこれだけでは終わりませんでした。
前の座席は一列全員が日本人の家族でした。
両端に父と母、そして真ん中は子供達。
お父さんは、座席に座るやヘッドホンで音楽を聴き始め、子供には全くノータッチ。
でもお母さんも子供達は放置に近く、子供達2人はシートの隙間から私と娘をしょっちゅう覗いて来ました。
おそらく両親が相手をしてくれないので退屈しているのでしょうが、私だって娘の世話で手一杯で、よそ様の子供の相手をする余裕なぞ持ち合わせておりません。
その内、子供の一人が突然母親に叱られました。
まぁその叱り方というか言葉遣いが、ヤンキーそのもの。。
「テメェ、○○してんじゃねーーよ!!」
日本人は私達とその家族くらいしか周りにいなかったので、母親が日本語で大声を出しても誰も気に留めません。
私は話している内容が分かるので、
うっわーーー
こっわーーー
公共の場でそんな口汚く子供を罵るとか・・
ヤンキー、まじ勘弁してよ。。
と思いました。
実際そのお母さんは普通の会話も男言葉で、見た目だって完全に日本のヤンキースタイルでした。
スッピン(眉なし)&マスク
上下ジャージ
茶髪プリン
そしてTシャツのロゴは「夜露死苦」(すみませんこれはウソです。)
おそらくはフライト仕様なんでしょうが、この格好で飛行機に乗り込むメンタル、マジでハンパねぇ・・
いやむしろリスペクトした方が良いのか。。
そんなことを考えながら一家を観察していると、子供達がお父さんと何やらゴニョゴニョ話しています。
「モスクワって今頃何時だろうね?」
「○○時だな。」
みたいな会話をしていたので、どうやらモスクワ在住のご家族のようでした。
駐在さんでしょうか。
そうこうするうちに機内食の配膳が始まり、CAさんが乗客にオーダーを取り始めました。
モスクワから出発するアエロフロートの飛行機だったので、CAさんはロシア人でした。
そして乗客もほとんどロシア人。
オーダーのやり取りは、ロシア語が8割・英語が2割といったところ。
やがてCAさんがこちらに近づいてきて、前の座席の日本人家族の番になりました。
お母さんがCAさんに家族のオーダーをまとめて伝えています。
か、
かか、、
母ちゃん、ロシア語、ペラッペラやんけ・・!!! (;@Д@)
ヤンキー、ロシア語流暢とか・・マジか・・
たかが食事のオーダーかも知れませんが、彼女のロシア語はかなり早口で、それに答えるCAさんも、めっちゃ早口のロシア語になってました。
つまりネイティブと遜色ないレベルです。
あの難解なロシア語を自在に話せるとか、神か!!
何だこのフライトは。
英語が全く話せないロシア語オンリーの欧米ビジネスマン風おっちゃん。
原書まで読めちゃう日本語マスターのロシア人兄ちゃん。
ロシア語を完璧に操る日本人インテリヤンキー母ちゃん。
凄い・・凄すぎる・・
世界は予想外のことで溢れている・・
3歳児の世話で疲れ切った脳で、そんなことを感じながら帰った(今となっては良き思い出の)フライトでした。
いや~~、しかし人の見かけによらなさよ。。
♪♪♪ オマケのエピソード ♪♪♪
イギリス時代、ドイツ系激安スーパーLidl(リドル)でお酒を買った時のことです。
レジで会計をする際、レジ打ちの兄ちゃんから無慈悲な態度で
「免許証を見せろ」
と言われました。
「あ、はい。」
と免許証を差し出すと、レジの兄ちゃんは無慈悲に免許証に目を落とし、再び無慈悲な感じで私を見たその瞬間、まるでコントのように後ろに仰け反って、
「Sie sind nicht wirklich in Ihrem Alter!!!!Σ(;@Д@ノ)ノ」
とドイツ語(多分)で何やら絶叫してました。
それからは、
「オマイガー!!」
「オマイガー!!」
を連発(笑)。
私が10代の小娘にでも見えたのでしょう。
そんなわけないじゃないですか。
しかし爽やかな見た目どおりの、とっても良い青年のお話でした(´∀`)