皆さん、こんにちは!
写真は今年初(実はカナダに来て初)の Spray Park です。
世界的なニュースになっていた通り、千年に一度の熱波が襲来し連日の猛暑が続いていたカナダでしたが、ようやく少し一段落し、過ごしやすい日が続きました。
とは言え、一気に15℃くらい気温が下がり、涼しいというより寒い!!
あの過酷な熱波が押し寄せる中、娘は毎日アイスを食べ、キンキンに冷やした炭酸水を飲み、夜は一晩中扇風機に当たって寝ていたところ、気温がグンと下がった日に、体調を崩してしまいました。
当然の状況とは言え、クーラーもないカナダの一般家庭では、あの暑さはそうでもしないと乗り越えられなかったと思うので仕方がありません。
しかしその涼しい日も2~3日続いただけで、再び気温が上昇し始めました。
昨日は30℃近くまで、そして今日は30℃になり、またしばらく30℃前後の日々が続くようです。
先日の猛暑よりは落ち着いていますが、例年だと一番暑い日に匹敵する気温です。
こうまで暑いと子供を公園で遊ばせるのも危険を感じるため、専ら冷房の効いた近所のスーパーへ買い物に連れ出すのが私としては精一杯です。
なので夫の休みの日に、市内に約70ヵ所あるという Spray Park 巡りをしようと思っています。
一番暑い日に今年初の Spray Park へ
さて、昨年はコロナのために全て閉鎖されていた夏季のプールや Spray Park でしたが、今年はワクチン接種が進み、7月1日からコロナ関連の規制がほぼ全面的に解除されており、屋外プールも Spray Park も6月からオープンしています。
Spray Park は、読んで字のごとく、水が噴き出る公園のこと。
カナダでは大きな公園には大抵 Spray Park のエリアが設置されていて、夏は朝9時~夜9時くらいまで営業しています。
夜9時まで!?とビックリされるかと思いますが、高緯度のカナダでは夏は夜10時くらいまでは外が明るいため、夜9時でも問題なく遊べます。
さすがに子供連れでその時間まで遊ぶ人がいるのかは分かりませんが、夜ご飯を食べた後に公園に遊びに来る人達も多いため(普通に外が明るいので十分遊べる)、夜間の Spray Park もそれなりに需要があるのかも知れません。
エドモントンは先週の6月30日が一番気温が高かったのですが、この日、ようやく子供達を Spray Park に連れて行くことができました。
2019年の夏は私が妊娠中で行けず、2020年の夏はコロナで閉鎖されていたため、実にカナダに来て初めての Spray Park です!!
私は気合を入れて市内の Spray Park を調べまくり、記念すべき一カ所目として、口コミの良かった Callingwood Park の Spray Park に行って来ました。
結論から言うと、とても良い公園だったのですが、おそらく今後二度と行くことはないと思います。
何と、
覆面をして刃物を持った男が現れ、一人の男性が刺される
という事態に遭遇していまいました。
犯人は捕まったのか、刺された男性は無事だったのか、気になってずっとローカルニュースをチェックしているのですが、特にニュースにはなっていないようです。
とは言え、目の前で目撃してしまったのは事実ですし、やはり子供連れとしては、そんな事件が起きた場所は当分行くことはできません。
それにしてもエドモントンは治安が良いと思っていたのに、頭のおかしい人は昨今どこにでもいるんだなぁと感じました。
あの場面で刃物男が自分に向って来た場合、とっさに子供を守りきれたか自信がありません。
今後はああいう事態に遭遇した際にどう行動するかを、親としてしっかり考えておかなければと思いました。
目の前で起きた衝撃の刺傷事件の顛末
あの日、お昼ご飯を家で食べた後、子供達に水着を着せ、おやつを持って Spray Park に出掛けました。
娘(7歳)は大ハッスル&息子(1歳)は噴水にビビッて泣いていましたが、夫に子供達をお願いして、私は小さな木陰で必死に涼んでいました。
カナダは湿度が低いので、どんなに暑い日でも木陰に入るとひんやりとして気持ちが良いのですが、あの日は木陰でも全く涼しくなかった、本当に異常な熱さでした。
この日、何のトラブルがあったのか、既に警察と救急車が来ており、女性と少年が事情聴取されていました。
女性はしきりに目を水で洗っており、それを心配そうに見つめる少年。
どうも女性と少年が衝突し、女性のコンタクトレンズがズレて、目の奥に入って取れなくなってしまったのではないか?と推察しました。
警察は1時間ほどそこにいたでしょうか。
やがて救急隊員から手当てを受けた女性が帰り支度を始め、ようやく警察も現場を後にしました。
せっかく初めての Spray Park なのに、嫌な雰囲気だなーと思いながら過ごしていたところ、Spray Park の隣にスケートボード専用のエリアがあるのですが、そこからやって来たと思われる男性2人が Spray Park の脇で突然、トラブルになったようでした。
・・というのも、男性の一人がスケートボードでもう一人の男性を思いっきり殴っていたのです。
その様子がちらりと視界に入ったのですが、
「仲間内でじゃれている内に喧嘩に発展したのかな?」
と深くは考えず、でもスケートボードで殴る音が、
バッコーーン!!
と結構凄まじかったので、
「あ、何かちょっとヤバい人達かな・・。」
と感じ、敢えて見ないようにしていました。
すると間もなく夫が子供達を連れて噴水エリアから戻って来て、
「すぐに帰るぞ。あの男、ナイフを持ってる。」
と言ったのです。
「えぇっ!?誰!?どこ!?」
思いがけない言葉に事態が飲み込めず、辺りをキョロキョロと見回しました。
「あいつ。黄色い頭の奴。」
見ると、黄色い頭(黄色い覆面マスクを被っていたようです)の男性が、ゆっくりとスケートボードエリアの脇を歩きながら遠ざかって行くのが見えました。
「えっ!?あの人がナイフを持ってるの!?」
全く事態が飲み込めないでいたところ、脇腹を白いタオルで押さえている男性が目に入りました。
その男性は、さっき、男性2人がトラブルを起こした場所にいました。
そしてよく見ると、白いタオルが血にまみれています。
私の近くにいた女性が、
「あの男の人、刺されちゃったみたいよ。」
と教えてくれました。
えっ!?もしかして、あれって、そんな深刻な事態だったの!?
ということは、男性2人が何らかのトラブルになり、ナイフを持った男がもう一人の男性を刺して、まさに今、現場を後にして公園を去ろうとしている・・。
ヤバい!!!
私はやっと状況が分かり、もしあの黄色いナイフ男が戻って来たら、と恐怖に駆られました。
しかし黄色いナイフ男は、既にスケートボードエリアを抜け、相変わらず悠然とした足取りで広大な公園をゆっくりと歩き、やがてその姿は見えなくなってしまいました。
こちらに戻って来る気配がないのは安心しましたが、既に人を刺したナイフ男が野放しになってしまう!!
ついさっきまで、ここに警察がいたのに・・!!
その時、スケートボードエリアで一人の男性が、去りゆく黄色いナイフ男を見つめながら電話をしていました。
おそらく警察に通報しているものと思われました。
さっきまでいた警察が去ってからほんの少しの時間しか経っていないのに、本当にタイミングが悪いというか、警察はなかなかやって来ず、とてももどかしい思いをしました。
既に黄色いナイフ男は公園を立ち去ってしまったようでした。
警察がいつ到着するにしても、とにかく一刻も早くこの場を去らなければ。
私は急いで息子を洋服に着替えさせ、帰り支度を進めました。
娘は何が起きたか良く分かっていないようで、
「え。何で帰るの?」
と聞いて来ました。
「ナイフを持った男の人がいるんだって。刺された人もいるから、危ないから帰らないと。」
と言い、娘を洋服に着替えさせていたその時でした。
刺された男性が声を掛けて来た!!
帰りを急いでいた私に、背後から、
「大丈夫でしたか?」
と、声を掛けて来た男性がいました。
振り返ると、何と、ナイフ男に脇腹を刺された男性が立っていました。
「え。え。」
私はあまりのことに驚いて、何も言葉が出て来ませんでした。
男性は、
「怖かったでしょう?大丈夫でしたか?」
と私たち親子を心配してくれています。
男性の身体に目をやると、下腹部に複数の切り傷と、はっきりとナイフで刺されたと分かる傷が脇腹に一カ所ありました。
もう出血は止まっているようでしたが、どう見ても大変な怪我です。
刺された人が心配してくれているというのに、私はパニックで英語もまともに話せませんでした。
「わ、私達は無事です、でも、あなたが!!」
私は、彼の刺し傷から目を反らすことができません。
「はい、刺されてしまいました。誰かが警察を呼んでくれているようです。あんなヤバい奴、もう絶対遭遇したくない。」
とその男性は言っていました。
警察が駆け付ける以上、救急車も来るに決まっているのに、私は、
「あの、病院には行きますよね?」
とトンチンカンな質問をしてしまいました。
男性はちょっと困惑したように笑いながら、
「ええ、多分。」
と言いました。
「お願いですから、絶対、行って下さいね!!」
「お願いですから、お大事にしてくださいね!!」
私は混乱してもうそれしか言えず、本当に自分が情けなかったです。
やがて男性はどこかに行ってしまいました。
警察が到着するまでが、とてもとても長く感じました。
ようやくパトカーと救急車がやって来て、刺された男性が救急車に乗り込むのをこの目で確認し、ようやく帰路に就くことができました。
黄色いナイフ男が逃げたと思われる公園の一角にも、パトカーが来ていました。
夫が言うには、ナイフ男は歩きながら黄色い覆面を脱いでいたらしいので、あれだけパトカーの到着に時間がかかっていたら、もう既に通行人に紛れて逃げ切ってしまったのではないかと思われます。
ナイフ男が逃げたのは本当に悔しく残念でしたが、刺された男性は、恐らく命にかかわる怪我ではなさそうだったのが幸いです。
もしあの後容体が急変して亡くなられてしまったら、流石にニュースになっていたと思うので・・。
ニュースにならなかったという事は、きっと無事だったのだろうと思います。
覆面のナイフ男は何故男性を刺したのか?
結局、ニュースにもなっておらず、事件の一部を目撃しただけだったので推測の域を出ませんが、何故、覆面のナイフ男は男性を刺したのでしょうか?
夫は、
「喧嘩になって、ナイフ男が刺して、刺された方はムカついてスケートボードで殴ったんだろ。」
と言ってあまり深く考えていない様でしたが、いやいやいや、そんなに単純で軽微な事件ではなかった気がします。
大体、あの今年一番の暑さの日に覆面のマスクをして刃物を所持している時点で、あの男はどう考えても異常者で、子供達が大勢集まる Spray Park に、通り魔でも起こす目的でやって来たとしか思えません。
恐らく、スケートボードエリアでスケートボードで遊んでいた男性は、その覆面ナイフ男がスケートボードエリアを通り抜けて Spray Park に向かうのを見て、危険を察知し後を追ったのではないでしょうか。
男がどの時点でナイフを振りかざしたのかは分かりませんが、男の行為を止めようとしてスケートボードで殴り、男から反撃されて刺されたのではないかと思うのです。
そうでなければ、近くにいた親子連れの私に、わざわざ安全を確認しに来ないと思うのです。
そうです、あの男性は、もしかしたら起きていたかも知れない、無差別の通り魔事件を未然に防いでくれたに違いありません。
あぁ、こんな時に、ちゃんと英語が理解できて、ちゃんと話せたなら・・!!
その場にいた人達を救ってくれた男性にお礼を言いたかったし、何より、もっとちゃんと声を掛ける事もできただろうに・・。
ちなみに、ニュースにはなっていませんでしたが、エドモントンの警察が提供している犯罪マップがあり、調べたところ、その日の事件と思われるものが登録されていました。
こちらがその画像です。
そして同じエリアで、後日何ともう一件、同じような事件が起きていました!!
こちらがその画像です。
これ、偶然でも何でもなく、やはりあの時の犯人は捕まっておらず、間を空けずにまた近場で人を襲ったのではないでしょうか・・。
少しでも知恵が働くなら場所を変えたりしそうなものですが、そういった思考すら持ち合わせていない、本当にヤバい異常者なのだと思います。
しかもこの公園、2年前に殺人事件が起きていたみたいで・・
あまり治安の良い地域ではないのかも知れません。
最初に行った Spray Park でこんな事に遭遇するとは思いも寄りませんでしたが、今度からは初めて行く場所はこういったサイトで事前に調べた方が良いのかしら・・
とにかくあの男が一日も早く捕まります様に、そしてまた同じような事件が起きませんように。
あの時救って下さった男性が、どうか一日も早く回復しますように。
中々こういう事件を目にすることはないと思いますが、皆さまもどうかお気を付けください!!