こちらは、綱渡りだったカナダ入国<前編> ~成田空港でまさかのESTA申請~
の続編になります。
さて、前日に大変な思いをして夫をカナダに送り出し、私は娘と一緒にぐっすり眠っていました。
明け方6時半くらいでしょうか。
ブーン、ブーンと私の携帯が鳴りました。
画面を見ると夫から何度も不在着信が。
そして着信中の電話も夫です。
思い切り嫌な予感しかしません。
何だろう・・時間的にはまだカナダには着いていないはず・・。
おそるおそる電話に出ると、「あのさー、やっぱりカナダもETA必要だったんだよ、それでサンノゼ空港でバンクーバー行き搭乗拒否されて乗れなかったから、いまサンフランシスコ空港にいるから」というではありませんか!
カナダのETAも必要?
搭乗拒否?
サンフランシスコ空港?
眠気が一気に吹き飛びました。
ここからは、その場に私はいなかったので、夫からの報告を時系列で書いていきます。
もしその場に一緒にいたらorリアルタイムで報告を受けていたら間違いなく怒り爆発だったと思うので、後で知って良かったとつくづく思いました。。
■夫、アメリカのサンノゼ空港でバンクーバーへの乗継便を搭乗拒否される
成田空港で奇跡的に、アメリカのESTAを取得した夫。
やがて夫を乗せた飛行機は成田空港からアメリカのサンノゼ空港に向けて無事に飛び立ちました。
成田空港で目的地までの航空券は全て発券済みで座席番号まで決まっていたので、サンノゼ空港に着いてからはすることもなく、搭乗ゲートのラウンジでマッタリしていた夫。
いよいよ搭乗開始となり、彼は最後に搭乗しようと思い全員が済むまで待っていたそうです。
前日あんなことがあったのに、その余裕はどこから来るんだ。
一番最初に搭乗口に並んでたら飛行機間に合ったんじゃないのかしら(#^ω^)
そしていざ、まさに搭乗ゲートで搭乗券をかざそうとしたところ・・係員に「お前は日本人の〇〇(夫の氏名)か?」と話しかけられたそうです。
「そうだけど」と夫。
すると係員は、「お前は搭乗することはできない」と告げたそうです。
「何故ならカナダのETAを取得してないからだ」と。
夫は「自分には労働ビザがあるから必要ない」と答えたところ、書類を見せてみろ、となり、5人の係員が集まってきたそうです。
5人は夫のビザに関する一連の書類を見て協議開始。
「確かに。これはETAは要らないね~」となったそうですが、やがて奥のオフィスからお偉いさんが出てきて告げました。
「労働ビザは、行った先のバンクーバー空港で発給されるでしょ。ってことは今の時点ではノービザでしょ。だからETA取得してないと駄目なのよ」と・・。
何ということでしょう。
ここで問題となったカナダのETAですが、夫は労働ビザの許可が下りていたので、本来であれば、ビザなし渡航者には該当せず、ETA取得の必要がありませんでした。
実際、夫の会社で去年の7月か8月に渡航した人はETAの取得は不要でカナダに入国できたそうです。
しかし、今回どうやらカナダ政府の方針が変わったようで、夫はアメリカのサンノゼ空港でカナダETA未取得の理由でカナダへの乗継便を拒否されました。
カナダの労働ビザは最初にカナダに入国したときの空港オフィスにて発給されるため、お偉いさんの言う通り夫はサンノゼ空港ではノービザ状態であり、バンクーバーへの乗継が出来なかったのです。
夫が会社の社長にその場で連絡を取り係員と話してもらったそうですが、ETAがないとシステム的に通らないとのことで、結局、その場でETAを申請することになりました。
前日の悪夢再び!
幸い、アメリカのESTAと違ってカナダのETAは申請後すぐに承認され取得できたそうですが、結局、夫が係員とやり取りしている間に乗継便は行ってしまいました・・チーン。。
結果、既に飛行機に積み込んであった夫の荷物は降ろされてしまったらしく、少しの間、飛行機を遅らせてしまったそうです・・ご搭乗の皆さま・・ごめんなさい・・。
それにしても労働ビザにしろワーホリビザにしろ、たとえビザの許可証を持っていても実際のビザがカナダの空港で発行される以上、渡航前のETAの取得は必須になってしまうんですね。
ETAはビザなし渡航の人のシステムなのに、ビザ保持者の最初のカナダ渡航に対しても取得を義務付けるとは・・屁理屈以外の何物でもないような。
邪推ですが、少しでも多く税収を上げるためじゃないでしょうか。。
まさかそんなセコイこと!?と思いますが、案外これ、当たってると思います。
■翌日便に振り替えられようとしたときに、救いの手が
さて、ETAは難なく取得できたものの、バンクーバーへのトランジットには間に合わなかった夫。
夫に対応した係員は、「明日の飛行機に振り替えるから、また明日のこの時間に来てねー!」と言って夫を返そうとしました。
ここで終わらないのが強運を持つ夫。
このせいで、彼はいつも詰めが甘いのです・・いつも誰かが助けてくれるから・・。
何と、他の係員が端末をタカタカと操作して、「サンフランシスコ空港からバンクーバー行きが出てるから、そっちに振り替えてあげようか?タクシーで30分くらいかかるけど、宿泊費よりは安くつくし、カナダにも今日中に入国できるよ」と教えてくれたそうなのです!
社長に確認すると、その方法で来て欲しいとのことで、急遽、便を変更してサンフランシスコ空港へ向かうことになりました。
タクシー乗り場に向かおうとした夫に、またもや親切な空港係員が声を掛けました。
「流しのタクシーを拾うと高くつくから、Uber(ウーバー)でタクシー呼ぶといいよ!」
Uber(ウーバー)は、世界中でタクシー手配ができるスマホアプリです。
夫はイギリスにいた時に使っていたため、その場で空港Wifiを使ってアプリをダウンロードし、クレジットカード情報などを登録して、無事、タクシーを手配しました。
親切な係員さんがいて、本当に良かったね・・夫・・。
こうしてタクシーでサンフランシスコ空港まで移動し、夫はバンクーバー空港に向けてようやく飛び立ちました。
しかし、まだまだトラブルは続くのでした・・。
私も書いてて疲れてきますが、皆さん、もう少しお付き合いくださいね・・。
■バンクーバー空港での乗継時間が入国審査&ビザ発給手続き込みで1時間というムリゲー!夫の強運ももはやこれまでか( ;∀;)
さて、ETAのトラブルも乗り越え、いよいよカナダのバンクーバー空港に到着しました。
ここで夫は、大変な事実に気が付きます。
トランジット時間が、1時間しかなかったのです。
カナダのビザは、最初に到着した空港で発給されます。
なので最終目的地のエドモントン空港ではなく、このバンクーバー空港でビザの発給を受けるのです。
つまり、入国審査&ビザ発給手続き込みで1時間!!
いやこれ、何もない時でも1時間のトランジットって、かなりギリギリで不安満載ですよね。
下手したら、少しでも到着が遅れたら乗継不能になるレベルです。
しかもビザ発給オフィスが空港内でものすごく遠い場所にあったらしく・・夫は絶望。
実際、やっとこさ彼がビザオフィスに到着して手続き開始した時、ビザオフィスの係員は「君、搭乗便、間に合わないYO」と無慈悲に言い放ったそうです。
ですよね・・( ;∀;)
しかも提出した書類に加え労働契約書を見せろと言われ、労働契約書はプリントアウトしておらず、メールに添付されていたものをスマホで見せようとしたところ、トラブルに次ぐトラブルでこれまで微弱な空港Wifiで酷使されまくってきたスマホの電源がご臨終を迎えてしまい(!)、何とオフィスの隅っこで充電させてもらう羽目に・・。
乗継便さようなら・・とこの時遂に夫も観念。
いやいや、そもそもスマホの電源少なくなってたなら機内で充電しとこうよ・・頼むよ・・。
そして電源が5%くらいまで回復したところでスマホが立ち上がり、労働契約書を見せてようやく労働ビザが発給されました。
急いで乗換ゲートに向かうも、ビザオフィスと乗換の搭乗口は遠く離れており、再び絶望する夫。
ようやく国内線乗継口へ通じる通路の入口に到着したとき、そこにいたスタッフに航空券を見せたそうです。
その時点で、何と出発10分前。
しかし、こういう時に何が何でも通ってしまう夫は、係員が「まだ間に合う!急げ!」と航空券をピッとスキャンしてくれたお陰で、搭乗便へ情報が行き、飛行機が待ってくれていたそうなのです・・。
もちろん、そこから果てしなく遠い搭乗口まで、走れメロスのごとく疾走。
そして社長に「乗継便、乗れます!」と連絡した直後、再びスマホの電源が力尽きたそうです。
こうして最終的には、別便への振替により当初の予定から6時間ほど遅れて目的地のエドモントンには到着できましたが、会社の社長を始め関係者の皆さまには多大なご迷惑をおかけしてしまいました。
「有り得ないトラブルばかりが起きたけど、その全てに奇跡が起きた!」と喜ぶ夫。
いや、ちゃんと準備しとけばそんなトラブル起きないから。
「君が来るときはアメリカ乗継がある便は使わない方がいいYO!」と謎の上から目線でアドバイスする夫。
いや、事前にESTA取得すればいいだけだから。
何はともあれ、カナダ生活のスタートです!